赤ちゃんが生まれた時、「オギャー」と高らかに泣く声。この声こそ、呼吸の始まりで産声(うぶごえ)といいます。赤ちゃんがお母さんの体外に出ると、赤ちゃんの血液に流れの変化がおき、酸素が少なくなり、皮膚が刺激されると、呼吸が始まります。赤ちゃん自体はお母さんのおなかの羊水の中で練習を積んでいるので、肺呼吸はスムーズに始まります。また、お母さんのおなかから、酸欠状態になっての分離、新たに経験する音や光に恐れて泣くというのも一つの理由と考えられています。なかなか泣き止まない赤ちゃんでも、抱っこしたり、なでてあげたりすると泣きやみます。これは、赤ちゃんは肌でやさしさを感じることができ、子宮膜のなめらかさの感じを思い出して安心して泣きやむと考えられています。このことは赤ちゃんの皮膚の触覚が充分に発達していることを示しています。
(小林登『母学』アップリカ教育研究所発行より)