共感(きょうかん)は一般的には4〜5歳ごろに発達すると考えられていて、他者の悩みや苦しみを理解できる心のことです。「母学(ぼがく)」では共感の心をつくるスタートはもっと早く、言葉の無い赤ちゃんの時代に始まると考えています。
育児、保育、教育にとって重要なのはネガティブな「悲しみ」「怒り」などではなく、「喜び」「やさしさ」で代表されるポジティブな心の状態をつくりだす「感性の情報」と考えています。共感を感じられるようになるのも、言葉の無い赤ちゃんの時代に母親における語りかけ意味や気持ち、言葉で無い部分のリズムやピッチの「感性の情報」で理解し、その言葉を超え、言葉を発達させることから始まると考えます。そして感性を高め、人生は平和で、人はみな自分のことを愛してくれていると信じる「基本的信頼」の「心のプログラム」が完成することが、共感を感じられるようになる第一歩です。
(小林登『母学』アップリカ教育研究所発行より)